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2007年11月18日 (日)

『アウステルリッツ』W・G・ゼーバルト (著)



建築史家アウステルリッツは、帝国主義の遺物である駅舎、
裁判所、要塞、病院、監獄の建物に興味をひかれ、
ヨーロッパ諸都市を巡っている。
そして、彼の話 の聞き手であり、本書の語り手である〈私〉にむかって、
博識を開陳する。
それは近代における暴力と権力の歴史とも重なり合っていく。
歴史との対峙は、まぎれもなくアウステルリッツ自身の身にも起こっていた。
彼は自分でもしかとわからない理由から、どこにいても、
だれといても心の安らぎ を得られなかった。
彼も実は、戦禍により幼くして名前と故郷と言語を喪失した存在なのだ。
自らの過去を探す旅を続けるアウステルリッツ。
建物や風景を目に した瞬間に、フラッシュバックのようによみがえる、
封印され、忘却された記憶……
それは個人と歴史の深みへと降りていく旅だった……。

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