『ペテン師と空気男』江戸川 乱歩 (著)
わたし、野間五郎は青年時代から物忘れの大名であり、
友人から、空気のようにたよりない男といわれ、
そこから「空気男」というあだなが生まれていた。
その
わたしが、なんとなく汽車に乗りたくなり、
静岡までの切符を買って乗った車中で、
ふしぎな黒ずくめの服の紳士と会った。
悪魔のメフィストじみた風貌のその
黒服紳士こそ
ジョーカー・伊東錬太郎であった。
プラクティカル・ジョーク(冗談のいたずら)の名手伊東に
ひきつけられたわたしは、伊東とその美しい妻・美
耶子との
親交を深めていった(「ペテン師と空気男」)。
推理小説界に一大金字塔を樹立した輝ける巨人・乱歩が、
戦後、昭和30年から35年にかけて執筆し
た
名作5編を収録したファン待望の1巻。
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