テンポ
ああ〜
しまった。。
と
本を読んでいて思ってしまいました。
その作品は
『人びとのかたち』 塩野七生 著
です。
塩野さんの作品は
『サイレント・マイノリティ』
『コンスタンティノープルの陥落』
『ロードス島攻防記』
『レパントの海戦』
『ローマ人の物語』
など読ませてもらっていて結構お気に入りの作家さんである。
ちなみに
僕にはちょっとした願望があって、
まったく住む世界も違い、世代も違う塩野さんだけど、
万が一知り合った時に必ず「魅力的な男だ」と認めれもらいたい
という願望である。
ああ、すみません脱線です。。
『人びとのかたち』とはその塩野さんが映画を通して人生の奥深さを
語るというもの。
そのなかで塩野さんと息子さんとのやりとりのなかでこんな一節がある。
「どの作品にも、その作品とテーマにふさわしいテンポがあるのよ。
『七人の侍』にはあのテンポが適しているのだし、
シベリアの原野が真の主人公である『デルス・ウザーラ』には、
ゆったりとしたあのテンポがふさわしい。
それどころか、あのテンポでしか、シベリアの大原野は描けないものなの。
若者たちの反乱を描いた『if』と、老人たちの夏の日々を描いた
『八月の鯨』では、監督は同じでもテンポが変わってくるのは当たり前でしょう」
これを読んでいて、「ああ〜」と天を仰いでしまった。。
『テンポ!』
『テンポ!』
ああ〜、このごろ自分の生活に欠けていたもの、それがテンポなのだ。
このごろ活字の摂取量が多過ぎて、映像を見る機会がぐぐっと減っていた。
映像だけでなく、音楽でもそう。
作り手のペースに身を委ね味わうという行為が極端に欠落していたのに気付いて
しまったのだ。
実は読書もそうで、じ〜っくり、ゆった〜り長い時間をかけて読むことがむずかしい
日常を過ごしていた。
作者のテンポより自分のテンポのほうがアップテンポだったのだ。
映画もあの数時間を惜しんで観れていなかった。
これではバカンスにいってくつろげないでいるような作品の摂取のしかただ!
もっとらくちんにたのしく観る余裕が必要なんだよな、と、カンジタのでした。
なんか、東京風なせわしないだけの人間になってしまいそうな気がしてちょっと
立ち止まった瞬間でした。
p.s.上記のような願望がある私は決して、決して!
『男たちへ』は読まないと決めているのだ!
なんか完全に手の平の上な気がして読めないのである。
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コメント
「ああっ!」・・・なんて私も叫んでしまいましたよ(クスクス)
時間が惜しくて、最近、映画を見ることも少なくなってました。
「テンポ」なんですね。
すごく共感しちゃいました。
Anonymous さん、すごいわ(またしても!)
私もいろんな時間をテンポを楽しみながら
味わっていきたいです。
投稿: めぐ | 2005.09.23 16:52
こんばんは。
ようこそ!
>時間が惜しくて、最近、映画を見ることも少なくなってまし
>た。
そうそう、時間の出し惜しみ、でてきますよね〜
だから、本や映画でもなんでも、ちょっとでも
ひっかかったら摂取するように心掛けてます。
本屋でも「タッチ アンド バイ!」
心が身体と直結して、レジへ!!
っでもって積んどく本がさらに増え。。
ってダメじゃン!!!
投稿: Anonymous | 2005.09.25 22:37