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2005.09.25

終蝉

僕は逃さない。

その夏、はじめて鳴く蝉を。

決して定番の夏を楽しむタイプではない。
海もいかず
山もいかず

いつまでも肌の色が白い僕ですが。。

季節の変わり目、それがイベントのようで好きなのかもしれません。

初桜もたいてい見逃しません。

といっても僕の行動半径内の話ですが、桜並木で一番に芽を吹く樹を
みつけるとうきうきします。

ただし

その夏の最後の蝉
その春の最後の桜ひとひら

に気付くことはまずありません。

全ては終わってしまってから気付くのです。

日常から蝉の音が消えてから
桜吹雪きが失せてから

その季節が去ったことを気付くのです。


僕はけっこう大雑把で鈍感なほうだからなおさらかもしれません。

だけど、世の中そんなことが多い気がします。

流れる時のなかで、失ったあとでその事態に気付くことが。

親愛なる人の気持ちが離れてしまったあと
大切な人が他界したあと
病気に蝕まれたあと
環境が汚染されてしまったあと
動物が絶滅してしまったあと


僕らは気付くのです

自分のやってきたことに

自分のやらなくてはいけなかったことに

そして気付いた時にはそこになにものこっていないことに。。

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