ジャッキー・ロビンソンからバリ−・ボンズそして、ビリー・ホリディへ
「好かれてるか嫌われてるかなんて、
オレは気にしないよ。
オレが気にするのは、
あんたがオレを人間として
尊敬してくれているかどうかさ。」
ジャッキー・ロビンソン
この前、日記に陸上の話を書いた。
そんなことを書くと当時のことが頭を占め、当然のことのように
当時がつんとやられた台詞を思い出す。
当時僕はこの台詞が言える様にと願っていた。
照れたり、ふざけては言えない、
真直ぐに相手を認めないと言えない
尊敬という言葉に憧れに近いものを持っていた。
ただ、最初この台詞に出会った時、
「尊敬してくれている。。」という受け身なところが気になっていた。
尊敬されようと、頑張るのってすごくつらいだろな
所詮受け身かよ
と浅はかにも思っていた。
それにはわけがあって、この台詞とジャッキー・ロビンソンと
どっちが先、といわれると、ジャッキーのことなんて最初これっぽっち
も知らなかったのだ。
彼を知らないからこそこのように思えたのである。
彼は、アメリカメジャーリーグ初の黒人選手なのである。
もちろん観客、相手選手、味方選手からも罵声をあびながら、
紳士にひたむきにプレーに励み、信頼と尊敬を勝ち取った人物なの
である。
それを知ると、全員敵のような立ち位置で、なぜそこまで彼が
やりとおせたのかを考えると、
もしかしたら、
「尊敬してくれている」ってのは相手、そして自分自身に言っているの
ではないかと思えてきたのである。
尊敬されよう、なんて思って尊敬されるわけなんてない。
自分自身がこだわって、やりとおしてその結果なのだ。
尊敬されているか、彼が気にするのは
「自分がきちっとやれているか」を気にするのと同義なのだと。。。
そんなことを考えつつ先日
藤原正彦さんの
『国家の品格』を読んでいると、こんな文章が目に留まった。
2001年の大リーグで、黒人のバリ−・ボンズが白人の
マーク・マグワイアのホームラン記録70本にあと1本と迫ってから
並ぶまでに、19打席で12の四死球をもらった国なのです。
70号はベネズエラ人、71号は韓国人の投手から打ったものでした。
ジャッキーの苦難は今も続いているのだと。。
尊敬って、心で繋がるってそんなに難しいことなんでしょうか。。
なんて思って、CDをがさごそ。
その昔 山岡士郎, (@雁屋 哲, 花咲 アキラ)に教えてもらった(笑)
JAZZの名盤 ビリー・ホリディの『奇妙な果実』
をひさしぶりに聞く。
黒人がリンチにあい、ポプラの木につるされて南の風に揺られている
その様を『奇妙な果実』として歌った沈痛な歌。
彼女の生きた時代も黒人差別はひどく、これは彼女の実体験を歌った
とも言われいる。
彼女の歌声はほんとうに沈痛で、しかし、ソウルフルだ。
そんな時代は彼女の一部であり、忘れたい過去であるかもしれない。
それでも歌い続けた彼女に僕は人間の意味を感じたし,
彼の台詞に人間の栄光をみた。
時間も距離も遠くはなれた僕までその声と言葉を届けた人間達にも
それを感じたのだ。
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コメント
尊敬ねぇ。。私はあなたのひたむきな努力を昔からすごいなぁ。と思っていました。
現在はあなたの文才は素晴らしいと!思ってます。そして生き方を尊敬しています。
あなたを見習って今さらですが、中途半端な生活と中途半端になっていることをコツコツ見直していくつもりです。
投稿: shimahime | 2006.01.27 01:47