« お酒を飲んでも、大勢で騒いでも。。 | トップページ | ジャッキー・ロビンソンからバリ−・ボンズそして、ビリー・ホリディへ »

2006.01.21

九段下、アクエリアス。

今日は仕事で九段下にいった。

寒いのでコートの襟をたてながら、

寒空の下

自動販売機でアクエリアスを飲む。

震えそうな寒空の下、

僕はアクエリアスを飲んだ。

それは普通のアクエリアスだった。
なんの変哲もない120円の清涼飲料水だった。

僕は八年前毎日その自動販売機で夜中にアクエリアスを飲んでいた。

不夜城の三井物産をすぎ、

いつもそこでアクエリアスを飲んでいたのだ。

当時、僕はまだ学生で現役で陸上をしていた。

夜中にジョギングをしていた。

実家から皇居を三周し、九段下をぬけ、市ヶ谷をすぎ、四ッ谷にでる。

気分によってコースはかえたけど

だいたい22〜25km

夜中の1〜3時くらいに毎日走っていた。

相棒はシンパク数を管理するシンパク計と150円。

もくもくと走っていた。
シンパク数が設定の上限を越えないように機械のようにもくもくと。

観客もいない
ライバルもとくにない

ただ、ただ、自分の為に。

皇居で一番に咲く桜を知っていた。

一番に鳴く蝉も知っていた。

そんな四季にかこまれて、孤独に、
自分という存在があれほど
人生において密度が高かったことはない。

純粋に自分の世界だった。

その自動販売機はコースの後半にさしかかろうとする位置に

あった。

夏なんかはそこで給水をとらないと脱水症状をおこし、がたっと
ペースが落ちるので必須だったのだ。

たまには、ふと、うつろに考え事をして飲む。

そんなスポットでもあったのだ。

近い将来のこと
遠い将来のこと

答なんて求めるでなく、身体全体が酸素をもとめ、十分脳に酸素が
いかない状態でうつろに。

今日何年かぶりに訪れたその自動販売機。

ほとんど当時のままだった。

変わってしまった自分をおもうより、
変わらない自動販売機をみて、

時の経過を実感したのがやけに不思議に感じられた。

そして、アクエリアスをのみ、

当時のようにそれを要求していない身体によって、再度、
その差違によって、またさらに、

時は過ぎたのだ、と実感したのだ。

この記事を評価する

|

« お酒を飲んでも、大勢で騒いでも。。 | トップページ | ジャッキー・ロビンソンからバリ−・ボンズそして、ビリー・ホリディへ »

コメント

アクエリアスって懐かしい飲み物ですね。
スポーツやってないとあまり飲まないものだなぁ。って思いました。

投稿: shimahime | 2006.01.26 22:03

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 九段下、アクエリアス。:

« お酒を飲んでも、大勢で騒いでも。。 | トップページ | ジャッキー・ロビンソンからバリ−・ボンズそして、ビリー・ホリディへ »