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2006.08.17

 それは、割るのではなくただただ刻むのだ

盆休みです。

なにも期待せぬまま、目的地もわからず
群馬の山の上のさびれた国民宿舎に行ってきました。
(つれていかれました)

ついた途端に天気が崩れ、長居を決め込む事に。。

地元の人以外に誰にも期待されたりとか、無いようなところでした。


ただ、露天風呂がありました。

脱衣所とか、微妙に臭いと湿気がこもっていて、虫がはじっこに
いそうなところでした。
アメニティとか翻訳して取り入れようもない、棚と籠と鏡でおしまい
そんなところでした。

混雑ももちろんしてなく、それが唯一の救いだな、
とはじめは思っていました。


露天風呂に入りました。

絶景かと言えば、山がみえるだけ。

雨も助けて?か別に見るべきところもありません。

お湯の温度も源水が冷たくあたためているとのこと、絶妙のぬるさ。

ぼけーっと山にかかっていた霞を見ていました。


どのくらい見ていたでしょう
どのくらいつかっていたでしょう

はじめ、霞が同じ形同じ場所にあって、全く動かないのを
見ていました。

そこから視点は漫然と緩慢に動き

ふと

気付いたのです

さっきのあの霞があとかたもなく消えていた事に


そして


びっくりしました


僕はその時


「霞が動かないこと」
「霞が霧散していたこと」

以外に時を感じていなかったのです。

その動きをもってはじめて時が刻まれたのだ、と我に返ったのです。


いったいどのくらい露天風呂にいたのだろう


わかりません


その時客は僕以外に子供だけのはずが、おじいちゃんに変わっていま
した。

彼らがいつ出入りしたのか

わかりません


雨が降って鳥も飛んでいません
雲の動きもわかりません
人の動きも最小限です
音はといえば、雨音だけです

僕自身にも目的もありません
そこに露天風呂があり、雨が降り、時間あった

ただそれだけです


なんと
リラックスできたことでしょう
リフレッシュできたことでしょう


休暇とは本来こうであったか!と思うくらい新鮮でした。


僕らは普段

「癒し」といっても時間を気にします。
マッサージ30分
岩盤浴50分

「娯楽」といっては時間を気にします。
60分番組
181分の映画
前半45分


僕らは時間割りをしてきました。

時間を割ることにより測り売りができるようになりました。

休暇も消費しないと楽しめない

じゃないと社会がまわらない


そんな時間は加工食品と同じ、加工時間です。

もちろん僕もそんなジャンクフードやジャンクタイム?を摂取
しています。むしろ好物です。


自然を愛せ!
とか
スローライフ!
とか

が言いたい事じゃないんです

そんなジャンクな僕でさえ

時間を割るのではなく
それが過ぎ行くままに、刻むだけ

そんなことに

いたく反応したこと

それに今気付いたことに

そんな発見に

なにか意味があるのではないか


と思っただけなのです。

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2006.08.09

『国会議事堂アートと老人と子供のポルヶ』〜気づいた人からはじめるしかない〜

金の回転を第一目標とした創作には、
なるべく新しい情報というものが必要不可欠であり、
回転のサイクルが速くなればなる程、
情報を収集してパクるだけが”創作”という単語に置き換わり、
もはやそこには真の影響など生まれる余地は全くない。
もし影響された対象の根っこの様な所までたどり着ける余裕があるのな
ら、そこから微妙に枝分かれして元のものとは違ったものが
生まれる可能性も出てくるのだが、
そう気づいた時には人間として一番大切な好奇心など色あせてしまって
いる。。。
という事が今の東京に言えると思うのだ。
                
                         大竹伸朗

それは

作り手に問題があるのか
消費者に問題があるのか

作り手と消費者は需要と供給の連鎖であり
ぼくらがうまれた現代はすでにその連鎖の中にある

なので上記の問いは不毛であり

気づいたやつから、そんなのなんかいやだな
と思ったやつから

そいつが作る側にいようと、消費する側にいようと

はじめなくてはかわらないもんなんだ

それはけっしてかっこよくもなく
そんなことに気もとめない人からみたら
頑固でいやな感じかもしれない

それでも、そんないやな思いという対価を支払っても
変えたいとか実現したい

とか思うことそれが青臭く言えば夢だったりするのだと
思う。

そんなものに気づき、もちろん自分の気づきと
気になるあの人の気づきも、育てていけるとこに

ここが なれ ば よい 

と思うのです。

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