親父
あと数日で今年も親父の命日で。
生前はこんなこと思いもしなかった。
まさかあんたが死んだあとに
信号を待っているときに
仕事でピンチなときに
真実が一つわかったときに
だれかの真心にふれたときに
星がきれいな夜に
悩みたちどまる度に
そして毎年このころになると
あんたを思い浮かべるなんて
誰かを裏切ったあとに
誰かを愛したあとに
誰かを傷つけたあとに
誰かを求めたときに
誰かを。。
あんたに叱責されることを思い浮かべるなんて
あんたは最後
新聞も重いとうめくほどにやせ細り
そのくせ
最後の晩餐にはキャビア!と。。
まだ、元気があるころは
見舞いが恥ずかしく
あんたに「具合は大丈夫?_」と気をつかうのが
恥ずかしく。。
あの日は暑かったなあ
でも
あんたがいなくなった後は
音が消えた。
僕は今でもできそこない。
それも磨きがかかってきている気がする。
それもこれも
僕は血のせいだと思っている。
しょうがないでしょ、あんたの子だ。
あんたに
読ませたい本が
沢山あるんだよ。
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