風船ガムを噛むと必ず感じる軽い罪悪感。
僕にはできないことがある。
僕にはむかしっからできないことがある。
今までもできなかったし
これからもきっとできない。
みんなこういうことあるのだろうか?
そして、あるとしたらふい、とした間に
それについて
それができないということについて
あれやこれや考えるのだろうか。
・・・
口笛を吹くこと
風船ガムをふくらますこと
ペンを手の上でまわすこと
・・・
口笛が吹けないから、たしかに気取ってとぼけるわけにはいかない。
頭の後ろで手を組んで、「知らないよ」とおどけて口笛をふく、あれができない。
風船ガムをふくらませないが故に、風船ガムを噛むと必ず軽い罪悪感を感じる。
風船ガムの見せ場をぶちこわしているあの感覚。
ペンまわしができないので、試験中にリズムが刻めない。
内輪のミーティングのあの膠着状態をなんとなしに切り抜ける場を作れない。
・・・
なぜ、それらを習得しないで
平気でいられる少年だったんだろう。
・・・
ジジジッ
ジジッ
ジッ
思考を中断させる蛍光灯の発する最後の音。
まるで風船ガムがぱちんと割れたように。。。
あれ
思考の中断をもたらした暗闇はしかし、連鎖をやめてなんてないじゃあないか。
・・・
なぜ、それらを習得しないで
平気でいられる少年だったんだろう。
・・・
むかしっから
お気に入りの服をいつもそればっかりを着る癖があった。
お気に入りのスニーカーをいつもそればっかりを穿く癖があった。
・・・
そんなことばかり電気の切れた部屋で考えていると
案外
僕はむかしっから僕なのだ。
ということに気付いた。
・・・
むかしっから
マフラーを巻くのが下手だった。
リボンを結ぶのが下手だった。
ゴミ袋を縛るのが下手だった。
むかしっから。
むかしっから。
これからも。
みんなこんなふうに考えたりするのだろうか?
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