大人になるって
僕の兄は
男である前に、僕にとっては兄である。
僕が生まれる前から、彼は僕の兄である。
それは
母にも
父にも
言えること。
女性である前に
男性である前に
母は僕にとって母であり
父は僕にとって父である。
大人になるって
どういうことか
唐突だけれど、上に話したことが1つのヒントとなる。
自分にとってある人が
自分の人生に入り込んで来る瞬間ってのがある。
それは、けれど、その人が闖入してくるのではなくって
実は自分がその人に入り込んだ瞬間のことを言う。
たまたま出会ったその時、その文脈から
関係性からその人を外してみて、
その人の過去や未来を想ってしまう。
なんだろう、ただすれ違うのではなく
そう想ってしまったら、自分の心のどこかにその人のことが刻まれ
その人のスペースができてしまう。
大人になるって
どういうことか
それは
兄に母に父に、祖父に祖母に、
彼らのために心のスペースが出来上がることなんじゃないか
そう思う。
兄を兄としてではなく
同世代に生きる1つの個性として
母を母としてではなく
僕らと同じように、すこし早く生き抜いてきた女性として
父を父としてではなく
僕らがこれから体験するかもしれない、喜びや苦しみを知っている先達として
見られる瞬間を持つこと
それが大人になるってことの1つなんじゃないかって
何故だかふと思う時がある。
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